脈で診る
東洋医学では、手首の脈で全身の状態を判断するという手法があります。歴史は古く、約2千年前の中国の医学書にはすでにこの「脈診」について書かれています。
人により方法は若干異なりますが、私は仰向けに寝てもらった状態でみます。ほとんどの人の脈診は両手同時にみますが、私の場合、片手ずつ判断します。
脈は速さだけをみているのではありません。速さの他に、深さ、強さ、そして脈の形をみます。また、手首の脈全体としてそれらをみて、また片方の手首を3カ所に分け、両手で6カ所、それぞれの差をみたりします。
ですから、脈診を行うのには少し時間がかかります。場合によっては2分くらいかかることもよくあります。
この脈診で、今現在患者さんの健康の程度はどうか、どこに病気の原因が潜んでいるか、或いはその進行状態はどうかなどを東洋医学的な視点で判断します。東洋医学では、究極でいうと、気、血、水の成り行きをみて、その変調が病気を引き起こすと考えるのですが、脈診ではその状態を判断するのです。
しかし、東洋医学ではこの脈診を重視しますが、これほどあやふやなものもまたありません。
まず、診察をする人の技量により大きく差が出ます。指の感覚だけで判断するものですから、触診力が大きくものをいいます。脈診をして治療を始める鍼灸師は多くいますが、さて、その中でどの程度の人が本当に脈がわかっているのでしょうか。普通に身体を触診をさせても簡単な違いですらわからないという鍼灸師がいますが、こんな人に限って「私は脈診を重視します」と言います。怪しいものです。
また、脈は、簡単な刺激で簡単に変わります。患者さんが一度くしゃみをすれば、脈はころっと変わります。患者さんの身体をぽんと叩けばまた脈は大きく変わります。慎重にみると、脈診くらい病状を判断するのに便利なものはないのですが、これほど変化しやすいものもまたないのです。
その意味で、脈診だけで判断して治療を始める鍼灸師がいますが、私はそれには疑問です。診察の手段は脈診以外にもたくさんあるのに、なぜ脈だけにこだわるのか私にはわかりません。あやふやになりやすい脈だけにこだわる鍼灸師は、よほど腕が熟達しているか、よほどのバカかのどちらかではないかと、私は思っています。
脈診も行い、他の診察もして、総合的に判断して患者さんの状態を検討することこそが本当の診察ではないかと思います。
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コメント
げんき本舗治療院の本体サイトのページですけど。脈診について更に詳しく解説しています。
投稿 げんき本舗治療院・院長 | 2005/04/04 15:47