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勉強しないマッサージ師

我が国には多数のマッサージ師がいる。前は都道府県知事免許で、私もそうだ。今は国家資格になったが、中身は変わらない。私も今の都道府県知事免許を国家免許に切り替えできるそうだが、面倒なのと手数料をしっかり取るので、今はその気がない。今日問題にするのは、世間にゴロゴロいる無免許の自称マッサージ師ではなく(タイ式だとかクイックなどはまず無免許とみてよい。もちろん違法である)、この公的免許を持った人たちのことである。
さて、資格をきちんと持っているマッサージ師は、資格を取るのに、解剖学とか生理学とかの各種基礎医学、各種の臨床医学、もちろん東洋医学を勉強し、その試験を受け合格した人たちである。では、医学的に、マッサージ師が優れた知識を持っているかというと、必ずしもそうとはいえない。
例えば、私が、免許を取って7、8年から10年くらいしているマッサージ師に解剖学か何かの質問をしたとしよう。どの程度の人が答えられるか。それほど難しい質問ではない。治療をしているのであれば、誰でも答えられるはずの質問である。しかし、多くの、いや正直に言おう、ほとんどの人が答えることができない。例えば、「僧帽筋の深部にあって肩甲骨を挙上する役目を持つ筋はなんという筋で、停止部はどこですか」。プロならたいして難しい質問ではないはずである。ところが答えられない。
原因は何か。勉強していないからである。試験を受ける際にはなるほど勉強をしたが、残念ながら、臨床に直結していない単に知識を試すだけのものが多く含まれている。晴れて免許を取ればそれらの知識を、実際の人体に当てはめ昇華しなければならないのだが、それを怠っている。怠っているどころか何もしていないので、一層忘れている。
これでは治療できないはずだが、いうことは1人前である。曰く「マッサージの保険適応を拡充しよう」、曰く「無免許者をもっと取り締まれ」…。主張はかまわない。しかし、それ以前に、自身の研鑽と努力をまるでしない、「私はちゃんと免許を持ったマッサージ師」に、それら権利の拡大と保護を訴えるしかない主張のみを言う資格があるのだろうか。
マッサージ師は誰ひとりいわない。「もっと勉強しよう」、「もっと研鑽しよう」…。

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