治らなかった例
よく、ウチのような治療院のホームページを見ると、治った例を掲げているところがある。患者さんの顔写真を挙げて、何とかいう病気が何回の治療でこんなによくなりました…、というものである。
でもよく考えると、これぐらい怪しいものはない。
普通に治療しているところなら、ページに書かれているような程度は日常的に治療しているし、日常的に治しているはずなのだ。ことさら強調して、「こんなによくなりました!」という必要はない。
つまり、あれは宣伝に過ぎない。写真に出てくる人物も怪しいものだ。
病気を治すのに、100パーセントというのはあり得ない。これは、ごく簡単な病気であってもそうだ。どんな名医であっても、完璧に全ての人を治してみせるという人は存在しない。
ですから私の場合でも、「必ず治りますよ」と患者に言うときは、確実に治るであろう確信を持ったときだけである。もちろん、全ての患者さんには言わない。いや、言えない。そんな無責任なことはできないからである。治癒に100パーセントがあり得ない以上、全ての人に、「必ず治ります」とは言えないのである。もちろんそう言えるようにできるだけ努力はしているが。
よく考えれば、治った例は書き連ねても、治らなかった例を見ることはまずない。でも、絶対に治らなかった例もあるはずなのである。
もし、治った例を宣伝しているところがあれば聞いてみるとよい。「同じ病気で、治らなかったことはどれくらいありますか?」


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