日本のマッサージ教育は遅れている
多くの人がご存じないようだが、マッサージを行うのには国家資格が必要です。我が国には、あん摩マッサージ指圧師というれっきとした国家資格があり、文部省か厚生労働省の認可する学校か養成施設に3年通い、基礎医学、臨床医学、関係する法律などを問う試験に合格しなければなりません。
ところが、無免許者が多いんですね。一説では、8割が無免許。
その無免許者に対抗するためには、当然、正規のマッサージ師の腕があればすむことなんですが…。
残念ながら、我が国のマッサージ教育は、レベルが低すぎると思っています。
今学校で教えるレベルでは、気持ちよくさせることはできても治すことができない。これでは、そこら中にいる無免許マッサージ師と同じです。
マッサージの団体は、無免許者の対策に熱心で、その一環として、整体やカイロプラクティックなどを撲滅しようとしている向きもありますが、私に言わせると、ナンセンスとしか言いようがありません。
そんな事しているヒマがあれば、
もっと腕を上げろ。
医学を勉強しろ。
と、言いたい。
全部とは言いませんが、今の国家資格を持ったマッサージ師は勉強をしなさ過ぎます。あまりにも知識が浅い。学校で習っているはずなんですが、主要な筋がどのような働きをするのかもろくに知らない人がいます。それどころか、今触っている筋がなんなのかもわからないという「有資格」マッサージ師が、たくさんいます。筋だけではない、もっと全般的な、包括的な医学知識が必要なはずなんですが、ろくに知らない。
これでは、いくら無免許マッサージ撲滅!と叫んでも、誰も動こうとはしません。
そこで試験。
もしこれを読んでいる有資格者マッサージ師の諸君がいれば、回答してみてください。回答できなければ、少なくとも医療マッサージをする資格はありません。
1、肩井の表層の筋には僧帽筋があり、多くの本ではこの僧帽筋の緊張が肩こりの原因とされています。しかし、その深部には、肩甲挙筋、中斜角筋、あるいは後斜角筋があります。これらの筋の緊張も肩こりの原因になると思われますが、ではそれらの筋緊張は何が原因でしょうか。列挙できるだけ、解剖学的にあるいは生理学的に答えてください。
2、いわゆる缺盆の部位は、前斜角筋が存在しています。この緊張が強いときに、腹部諸筋に圧迫を加えると改善することがあります。これを解剖学的に答えてください。
3、膝関節において、まだ30代までなのにいわゆるO脚が見られるとき、脛骨前縁中央に圧痛が出ることがあります。これを人体の構造を考え答えてください。
4、いわゆる五十肩の患者の場合。肩だけ治療してもなかなか治りません。しかし、場合によっては腰部の治療を行うと奏効することがあります。これを筋膜の関連性から説明してください。
5、左側面から転倒して数週間後、右肩関節動作痛を起こした人がいるとします。その考えられる要因を述べてください。
実は、これらの問題に含まれる内容は、私が講師をしている臨床伝統医療研究会の「初級」課程ですでにその基礎を履修します。
初級ですよ。
実際の治療は、中級から上級ですが、優れた人なら、初級を終了した時点で治療ができるようになっています。
さて、マッサージ師諸君、どの程度回答できますでしょうか?
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- 日本のマッサージ教育は遅れている(2007.06.30)
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