治そうと思うと治らない
先日、若い鍼灸師から相談を受けました。
「知識と技術は、そこそこあると思うんです。痛い鍼なんかしませんし。ボクは明るい方なのですし、話をするのも好きなんで、患者さんの『受け』もいいと思うんです。でも、一つ悩みがあるんです。『治らないんです』」
そう、我々にとって一番大切なことは、
治す
という事なんです。
よく施術といいますが、この施術というのは、行う過程のことを指す用語であって、目的ではありません。目的は、
治療なんです。
よく保健所の連中とか広告代理店とかが、「治療という言葉は医療を思わせるからだめ、施術ならいい」と、ばかげたことをいっています。
これ、調理といってはいいけど、食事と書いてはだめといってるようなものです。
広告代理店は役人に倣いますからいいですけど、役人の杓子定規な馬鹿さ加減は何とかしてもらいたい。
おっと、話がずれました。
患者さんで役人をしている方、読まなかったことにしてください。
さて、治らない。
技術に起因しないことも実はあるんです。
この場合の大きな原因は、
治そうと努力しすぎること
なんです。
もちろん、治す努力は必要です。
でも、患者さんを前にして、よし治してみせるぞと肩に力が入りすぎると、かえって治らないこともある、これは私の経験です。
あまりにも治してやるぞと努力しすぎると、だめなんです。
余裕がなくなる。
余裕がないと、見えるところが見えなくなります。
すると、治さなければならないことが見えなくなってくるんですね。
そんなときは一度深呼吸をして、肩の力を抜く。
患者さんを余裕を持って見る。
患者さんを愛しく思えたら、まず大丈夫です。
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